毎日のように出る紙ゴミ、でも捨て方がイマイチわからないものも。
実は、紙ごみにはさまざまな種類があり、分別方法も自治体によって異なります。
近年、環境問題への意識が高まる中、リサイクルはますます重要になっています。
しかし、正しく分別できていないと、せっかくの資源が無駄になってしまうことも。
そこで意外と悩む「紙ごみの出し方」について、わかりやすく解説します。
今まで知らなかった紙ごみの出し方、これでバッチリです!
紙ごみの種類を知ろう!
紙リサイクルマークの確認
リサイクル可能な紙ごみかどうか迷ったときは、まず「紙リサイクルマーク」を確認しましょう。このマークは、紙製品がリサイクルできることを示すもので、一般家庭から排出される紙ごみの約8割に貼付されています。
マークは、正方形の中に「二重丸」と「再生マーク」が描かれており、その周囲には「紙リサイクルマーク」の文字が記されています。マークの色は、緑色または青色が多いですが、まれに黒色やグレーのものも見られます。
しかし、マークを見ただけでは、実際にどのようにリサイクルすればよいのかが分かりにくいことも。
例えば、紙パックには特殊なコーティングが施されていたり、アルミ箔のついたものもあります。
紙製品のリサイクルにおいて正しい分類ができれば、資源の無駄遣いを防ぎ、環境保護にもつながります。
紙ごみの分類
家庭から出る紙ごみは意外と多種多様です。新聞や雑誌、ティッシュの箱、さらには郵便で届く封筒など、その種類は多岐にわたります。
これらを正しく分類することは、リサイクル率を高めるために非常に重要です。
紙ごみは大きく4種類に分類されます。「新聞・雑誌」、「段ボール」、「紙パック」、「雑がみ」です。
【新聞・雑誌】
日刊新聞、週刊誌、月刊誌、書籍、チラシなど。
リサイクルされやすい紙類の一つで、再生紙の原料として非常に価値が高いです。
【ダンボール】
二枚の紙と、波形の紙(フルート)を挟んで接着した三層構造の板紙です。
高いクッション性と強度を持ち、主に商品の梱包や輸送に使用されます。
【紙パック】
主に液体食品や飲料の容器として使用される紙製の包装材です。 内部にはプラスチックやアルミニウムの薄い層がコーティングされており、内容物の品質を保持します。
【雑がみ】
一般的な紙ゴミのカテゴリで、リサイクル可能な新聞や雑誌、段ボール以外の紙類を指します。
特定のカテゴリに分類されない紙類や再生処理が困難なものです。
包装紙や紙袋、ティッシュの箱などが含まれます。
紙ごみを出すときには、この4種類をそれぞれ別々にまとめて出すことで、リサイクルしやすくなります。
リサイクル可能な状態にしよう
これはNG?紙ごみの状態を確認
紙ごみをリサイクルする際、その状態が適切であるかどうかは非常に重要です。
せっかく分別した紙ごみも、リサイクルできない状態だと、廃棄物になってしまう可能性があります。
紙ごみを出す前に、紙ごみの状態をしっかり確認しましょう。
【濡れた紙】
濡れた紙は、カビや雑菌が発生しやすく、リサイクル工程で破砕しにくい状態になります。濡れた紙は、乾かしてから出すようにしましょう。
新聞紙や段ボールなど、濡れてもリサイクル可能なものもありますが、自治体によってルールが異なる場合がありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
【汚れ】
汚れがひどい紙は、リサイクル工程でインクや汚れが他の紙に付着し、品質を低下させる可能性があります。
汚れがひどい場合は、水洗いして、乾かしてから出すようにしましょう。ただし、水洗いによって紙が破損したり、インクが溶け出したりする可能性もありますので、様子を見ながら行ってください。
【破れた紙】
破れた紙は、リサイクル工程で破砕され、繊維状になってしまう可能性があります。破れた紙は、他の紙ごみに混ぜずに、別に出しましょう。
シュレッダー紙も、他の紙ごみに混ぜずに、別に出す必要があります。
紙以外の素材は取り除いて
紙製品の中には、しばしばプラスチックや金属などの異素材が含まれているものがあります。たとえば窓付き封筒やティッシュの箱、飲料の紙パックなどです。
これらの素材はリサイクル工程で取り除くことが難しく、リサイクルプロセスを妨げる原因となり得ます。
リサイクルする前にこれらの素材を取り除くことは、紙製品が適切に再生されるために不可欠です。
【プラスチック】
紙パックのキャップやストロー
窓付き封筒の窓部分
プラスチックコーティングされた書籍のカバー
ティッシュの箱の取り出し口のフィルム
【金属】
ホチキス
クリップ
ノートやカレンダーのワイヤー
【その他】
ゴム
布
食品残渣
テープ、ステッカー
取り除いた素材は、それぞれのリサイクルルールに従って分別しましょう。
正しい分別でリサイクル率UP!
分別ルールを確認しよう
紙ごみの分別は、自治体によってルールが異なります。リサイクル率を高めるためには、まずお住まいの自治体の分別ルールをしっかりと確認することが大切です。
【確認方法】
自治体のホームページやごみ分別ガイドを確認する
市役所や区役所の窓口に問い合わせる
ごみ収集日に配布される「ごみ出し案内」を確認する
【確認内容】
分別する紙の種類(新聞・雑誌、段ボール、紙パック、雑がみなど)
各紙種類の出し方(束ねて出す、平らに折りたたんで出すなど)
汚れや濡れた紙の扱い方
ホチキスやテープの取り外しについて
紙以外の素材の取り外しについて
回収曜日
回収場所
【その他】
引っ越しなどで住所が変わった場合は、新しい住所の分別ルールを確認しましょう。
事業所の場合は、家庭ごみとは異なる分別ルールが適用される場合があります。
悩める紙ごみ
紙ごみの分別には、迷ってしまうものも少なくありません。
【トイレットペーパーの芯】
トイレットペーパーの芯は、多くの自治体で紙ごみとして出すことができます。ただし、自治体によっては、プラスチック製の芯や、汚れた芯はリサイクルできない場合がありますので、確認してください。
【化粧箱・紙袋】
一般的に紙ごみとして出すことができます。ただし、ラミネート加工や箔押し加工が施されている場合は、リサイクルできない場合があります。また、金属箔が貼られている化粧箱・紙袋は、紙ごみとして扱っていない、金属ごみとして出すなど自治体により異なります。
【食品や油で汚れた紙】
ピザの箱や使用済みのキッチンペーパーなどは、油分が紙繊維に深く浸透しており、リサイクル過程で他の紙の品質を下げる原因となります。燃えるゴミとして出しましょう。
【ラミネートされた紙やコーティング紙】
ギフトバッグや特定の食品包装紙など、表面がプラスチックや金属でコーティングされている紙製品は、リサイクルプロセスで素材を分離するのが困難です。これらは特別な処理が必要となり、通常の紙リサイクルラインでは扱うことができません。
【糊やテープが付いた紙】
封筒やラベルが付いた包装紙などは、接着剤が紙繊維に混入することでリサイクルの効率を低下させます。特に窓付き封筒のプラスチック部分は、リサイクル時に除去する必要があります。
【感熱紙】
レシートやATMの取引明細書に使われる感熱紙は、熱によって文字が表示される特殊な紙で、化学物質が含まれています。これらの化学物質はリサイクル過程で問題を引き起こす可能性があるため、通常はリサイクルに向いていません。
紙ごみを正しく分別することで、リサイクル率が向上し、資源の有効活用に繋がります。
紙ごみの出し方
紙ごみを出す際には、ただ分別するだけでなく、その出し方にも注意が必要です。
紙は湿気を避け、清潔に保つことが重要であり、折りたたんだり、縛ったりしてコンパクトにすることが推奨されます。
正しい出し方を行うことで、リサイクルプロセスがスムーズに進むだけでなく、収集や処理の効率も向上します。これにより、リサイクル率の向上に貢献することができるのです。
【新聞・雑誌】
新聞紙や雑誌は、ある程度サイズをそろえて、束ねて出しましょう。
濡れた新聞紙や雑誌は、乾かしてから出しましょう。
ホチキスやテープは、できるだけ取り除きましょう。
シュレッダー紙は、他の紙ごみに混ぜずに、別に出しましょう。
【段ボール】
段ボールは、平らに折りたたんで出しましょう。複数枚ある場合は、まとめて束ねるかテープでとめて出しましょう。
大きな段ボールは、小さく折りたたんで、テープで留めて出しましょう。
濡れた段ボールは、乾かしてから出しましょう。
【紙パック】
紙パックは、すすいで、乾かしてから出しましょう。
開けるものは開いて、まとめて出しましょう。
キャップやストローは、取り除いて、マークに従って別に出しましょう。
【雑がみ】
雑がみは、バラバラにならないように、紙袋や段ボールに入れて、出しましょう。
汚れは拭き取り、濡れた紙は乾かしてから出しましょう。
紙以外の素材は、できるだけ取り除きましょう。
紙ごみの分別・出し方は、自治体によって異なる場合があります。ごみ出し前に、必ずお住まいの自治体の分別ルールを確認してください。
紙ごみは、種類や状態によって分別方法が異なります。自治体のルールを確認し、正しく分別に取り組みましょう。
ちょっとした意識で、資源を有効活用し、環境に貢献することができます。
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