近年、食料価格の高騰が私たちの家計を直撃しています。特に、食卓の主役であるお米の値上がりは、毎日の献立を考える上で頭の痛い問題ですよね。
でも、諦めるのはまだ早い!賢く「かさ増し」することで、お腹いっぱい食べてもお財布に優しい食生活は実現できるんです。
いつものご飯に混ぜて栄養価をアップさせる食材から、お米なしでも大満足できるアイデアまで、食の知恵をご紹介します。
無理なく続けられる節約術で、食卓の満足度を下げずに、賢く美味しい毎日を送りませんか?
栄養満点!混ぜて炊くかさ増し食材

食物繊維豊富 もち麦をプラス
毎日のご飯の量を少しでも増やしたいと感じている方におすすめなのが、もち麦をご飯に混ぜて炊く方法です。
いつものご飯に少しもち麦を加えるだけで、プチプチとした食感が加わり、食べ応えもアップします。白米だけでは物足りないと感じる時でも、もち麦を混ぜることで満足感が得やすくなります。
また、もち麦を加えることで、いつものご飯がぐんと栄養豊かになります。
特に注目したいのが食物繊維。白米の約20倍もの食物繊維が含まれており、腸内環境の改善や血糖値の上昇を抑える働きもあるとされています。もち麦は水溶性食物繊維であるβ-グルカンを豊富に含んでおり、悪玉コレステロールを減らす働きも報告されています。
健康を意識している方にも、ぜひ試していただきたい食材です。
炊き方は簡単で、白米2合に対してもち麦を大さじ4程度加えて一緒に炊くだけ。水加減を少し多めにするのが、美味しく炊き上げるコツです。
ぷちぷちとした独特の食感がクセになる美味しさで、よく噛むことにもつながり満腹感も得られます。毎日続けることで、便通改善やダイエット効果も期待できるかもしれません。栄養を補いながらお米を節約できる、一石二鳥のかさ増し食材です。
栄養価アップ 雑穀米を一緒に
「白米だけでは物足りない」と感じたときにおすすめなのが雑穀米を白米と一緒に炊くという方法です。
赤米、黒米、キヌア、アマランサスなど数種類がブレンドされたものが多く、白米には含まれにくいビタミンB群、鉄分、たんぱく質をバランスよく摂ることができます。これらの栄養素は、私たちの体の機能を正常に保つために欠かせないものです。
実際、ある市販の十六穀米には、白米の2〜3倍のミネラルが含まれているというデータもあります。
雑穀の種類によって、食感や風味が異なるのも魅力の一つです。もちもちとした食感のものや、プチプチとした食感のものなど、さまざまな種類があるので、お好みのものを見つけてみるのも楽しいでしょう。白米に混ぜて炊くことで、いつものご飯がより風味豊かになり、食欲もそそられます。
また、雑穀米を加えることで、白米だけの時よりも噛む回数が増え、満腹感も得やすくなります。健康を意識しながら、美味しくご飯をかさ増ししたいという方に、ぜひ試していただきたい方法です。
お米に混ぜるだけで簡単に調理でき、普段のご飯にプラスするだけで健康意識の高い食事に早変わり。満足感はそのままに、米の使用量を減らすことができる優れものです。
スーパーなどに行けば、さまざまな種類の雑穀米が手軽に手に入りますので、まずは少量から試してみてはいかがでしょうか。
ミネラルも 大麦で健康に
大麦は、昔から日本人の食卓に取り入れられてきた栄養豊富な穀物です。加工方法によって、丸麦、押し麦、米粒麦、白麦などさまざまな種類があります。
大麦には水溶性食物繊維のみならず、ミネラルも豊富に含まれています。カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、銅、マンガンなどさまざまなミネラルが含まれており、これらは現代人に不足しがちな栄養素といわれています。
白米に混ぜて炊くだけで、風味も食感もぐっと変化し、もっちり感とともに香りも楽しめます。また、白米に比べてGI値が低いため、食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果も期待できます。プチプチとした食感が加わることで、食べ応えが増し、満腹感を得やすくなるのも嬉しいポイントです。
価格も白米より比較的安価な場合が多く、スーパーで手軽に手に入るのも魅力です。炭水化物を見直したい方や、家族の健康を気づかう方にこそ取り入れてほしい食材です。
大麦は、おいしくかさ増ししながら、体にもお財布にもやさしい選択です。
完全食キヌアで栄養まるごとプラス
キヌアは、南米原産の植物の種で、白米に比べてタンパク質、食物繊維、そして鉄分やマグネシウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。特に、私たちの体に必要な9種類の必須アミノ酸を全て含んでいるという点も、非常に魅力的なポイントです。
炊き方はとっても簡単。白米を研いだ後に、洗ったキヌアを混ぜて、普段と同じように炊飯するだけです。キヌアの割合はお好みで調整できますが、最初は白米1合に対して大さじ1~2程度から試してみるのがおすすめです。炊き上がると、キヌアが少し透明になり、ほんのりナッツのような香ばしさと、プチプチとした独特の食感が楽しめます。
クセが少なく、味自体は主張しすぎないので、和食、洋食、中華、エスニック…どんな献立にもすっと馴染んでくれます。また、キヌアを加えることで、ご飯全体の栄養バランスがアップするだけでなく、食物繊維のおかげで腹持ちも良くなるという嬉しい効果も期待できます。
節約&満腹!米のかわり食材

カリフラワーライスでヘルシー
米のかわりに注目されている「カリフラワーライス」は、刻んだカリフラワーをお米のように見立てた代替食材です。見た目はほぼごはんそのもので、食感もそっくり。炒め物やカレーの付け合わせなどにもよく合います。
しかも白米に比べてカロリーや糖質が大幅に低いのが魅力。例えば、白米100gあたりのエネルギーは130kcal、炭水化物は28.2gなのに対し、カリフラワー(生)100gあたりのエネルギーは27kcal、炭水化物は4.9gと、ぐっと抑えられます。ダイエット中の方や、糖質を気にしている方にとっては、まさに救世主のような食材と言えるでしょう。
さらに、ビタミンCや葉酸、食物繊維なども含まれており、栄養面でも頼もしい存在です。
調理方法も簡単で、刻んだカリフラワーをフライパンで炒めるだけでOK。チャーハンやリゾット、カレーなど、普段ご飯を使う料理に幅広く活用できます。食物繊維も豊富なので、少量でも満腹感が得やすく、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。
最近では、冷凍のカリフラワーライスも手軽に手に入るので、忙しい時でも便利です。
カリフラワーライスは炒めるだけで時短にもつながるうえに、お財布にも優しいヘルシーな選択肢です。
しらたきで満腹 ダイエット
糖質ゼロ食材として知られる「しらたき」も、かさ増し食材として非常に優秀です。
しらたきは、こんにゃく芋が原料で、ほとんどカロリーが含まれていません。100gあたりのエネルギーはわずか7kcal。しかも、食物繊維が豊富なので、少量でもお腹の中で膨らみ、満腹感を得やすいのが特徴です。
最近では、お米のような見た目と食感の「こんにゃく米」「米粒こんにゃく」といった商品も登場しており、白米の代わりとして活用する方も増えています。もちろん、細かく切ってご飯に混ぜて炊くことも可能です。
しらたきは、無味無臭に近いので、どんな料理にも合わせやすいのがメリット。ご飯の量を減らして、代わりにしらたきを混ぜることで、全体のボリュームを維持しつつ、カロリーを大幅にカットできるので、ダイエット中の方にとっては心強い味方です。
ご飯に混ぜるときは、下ゆでして臭みを取り、細かく切ってから一緒に炊くのがポイントです。
しらたきはパスタの代わりに使ったり、炒め物の具材にしたりと、アレンジ次第でさまざまな料理に活用できます。
食物繊維が豊富で、少量でも満腹感が得られるため、過食予防にもなります。スーパーでも手頃な価格で手に入りやすく、家計にやさしいのもうれしいところ。糖質が気になるけれど、しっかり食べたいという方にぴったりです。
豆腐でかさ増し 食費節約
豆腐は、昔からある日本の万能食材。実はご飯と混ぜて使うことで、量はそのままにカロリーを抑えたり、たんぱく質を補ったりと、うれしい効果がたくさんあります。
豆腐は、低カロリーでありながら、良質な植物性たんぱく質を豊富に含んでいます。木綿豆腐100gあたりには7.0gのたんぱく質が含まれています。お肉の代わりに豆腐を使うことで、食費を抑えつつ、栄養バランスもアップさせることができます。
また、豆腐は比較的安価で手に入りやすいのも魅力の一つ。たとえば、木綿豆腐100gあたりの価格は約40~60円程度と安価で、同じ量の白米と比べて糖質も1/5以下です。
炒飯や雑炊に混ぜたり、炊き込みご飯風にアレンジしたりと、使い方も自由自在です。
例えば、ひき肉の代わりに麻婆豆腐にしたり、卵と炒めてチャーハンのようにしたりするのもおすすめです。ふんわりとした食感が加わることで、噛みごたえもアップし、満腹感もしっかり得られます。
物価が上がる今こそ、日常的に活用したい節約かさ増し食材です。
米なしで満足する方法

オートミールで簡単ごはん
忙しい朝や手軽なランチにぴったりなのが、オートミールを使った簡単ごはんです。欧米では朝食として定番ですが、日本でも白米の代用品として注目されています。
オートミールは、オーツ麦を加工したもので、食物繊維が豊富で栄養価も高いのが特徴です。オートミールには、白米の約20倍もの食物繊維が含まれています。また、鉄分やカルシウムなどのミネラルも豊富です。
オートミール30gにお水やお出汁を加えて、レンジで加熱するだけで、お粥のような、優しい味わいのオートミールごはんが完成します。
カロリーは白米と比べて約半分、さらに水溶性食物繊維の「β-グルカン」が豊富で、コレステロールの低下や血糖値の急上昇を抑える効果が報告されています。
味付け次第で和・洋・中とアレンジ自在。少量でもしっかりお腹にたまるので、ダイエット中でも満足感のある食事が楽しめます。
高野豆腐で腹持ちアップ
昔からある食材、高野豆腐。乾物のイメージが強い高野豆腐ですが、実は“米のかわり”としても活躍します。乾燥した状態からは想像もつかないほど、水で戻すとふっくらと膨らみ、食べ応えも満点になります。
高野豆腐は、大豆を原料としており、良質な植物性たんぱく質を豊富に含んでいます。100gあたりには、なんと約50gものたんぱく質が含まれているんです。これは、他の植物性食品と比べても非常に高い数値です。
戻して細かく刻み、炒飯や炊き込み風の料理に使えば、たんぱく質と食感の両方をプラスできます。最近では、粉末状の高野豆腐も販売されており、ハンバーグのつなぎにしたり、スープにとろみをつけたりと、さまざまな料理に活用できます。
高野豆腐は脂質も多く含むため、少量でも満足感があり腹持ちが良いのが特長です。噛み応えもあるため、ゆっくり食べる習慣づくりにもつながります。米の量を減らしても、しっかり栄養と満腹感を得たい方におすすめの一品です。
おからでお腹もお財布も満足
おからは、豆腐をつくる過程でできる副産物ですが、実は食物繊維やたんぱく質が豊富な優秀食材です。
100gあたりのカロリーは約111kcalと控えめで、糖質は白米の約1/3。水分を吸収して膨らむ性質があるため、少量でもボリュームが出るので、米の代わりとして活用すれば、食費の節約にも繋がります。
独特のホロホロした食感を活かせば、ごはんのかわりになるようなアレンジが可能です。おからチャーハンや、おからドライカレーなどは特におすすめで、見た目も食べごたえも十分。味付けも普段と同じようにできるので、手軽に挑戦できます。
さらに、豆腐店やスーパーで安く手に入るので、お財布に優しい食材と言えます。また、おからはこれまで廃棄されることが多かったため、おからを食用として利用することは、食品ロス削減にもつながります。
おからは家庭でも取り入れやすく、お腹も心も満たされるサステナブルな選択肢といえます。
賢く食材を選び、少しの工夫を加えるだけで、食費を抑えながらも、心も体も満たされる豊かな食生活を送ることができます。
無理なく続けられて、体にも家計にもやさしいかさ増しアイデア。
楽しみながら、自分なりの工夫を見つけていけたら、それだけで毎日のごはんがもっと楽しくなるはずです。
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