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アプリで簡単注文、ムダなし!モバイルオーダーの可能性

公開日: 更新日:2025.08.20
カウンターにMOBILE ORDER PICK UPの看板


「お店のレジに行列で、イライラ…」「混んでいて注文を諦めた」そんな経験、ありませんか?
実は、あなたのスマホ一つで、そんな悩みを解決し、地球に優しい行動ができるとしたら?

いま、飲食業界で広がるモバイルオーダーが、私たちの「食」の常識を変えつつあります。

このアプリ一つで、注文が驚くほどスムーズになり、お店の無駄が減り、さらには食品ロス削減という大きな社会貢献にも繋がっているんです。
モバイルオーダーが秘める、便利でサステナブルな可能性をわかりやすくご紹介します。


モバイルオーダーの仕組みとメリット

ORDER FOOD アプリのあるスマホ画面


アプリで簡単注文

お店に着いて、長い行列にうんざりした経験はありませんか? モバイルオーダーは、そんな悩みを解消してくれる便利なツールです。スマートフォンのアプリを使って、自宅や移動中など、どこからでも気軽に注文できるのが最大の魅力
最近では、そんな「モバイルオーダー」が急速に普及しており、特に若い世代を中心に、店頭での注文を避けてアプリ経由でメニューを選ぶスタイルが浸透しつつあります。

利用者はメニューをじっくり見ながら注文でき、レジで並ぶ必要がなく、お店に着いたらすぐに受け取るだけ。お店でメニューを選ぶ時間やレジでの会計時間を短縮できます。忙しい現代人にとって、時間を有効活用できるモバイルオーダーは、もはや手放せない存在になりつつあります。

また、アプリによっては、アレルゲン情報やカロリー表示、写真付きのメニュー説明などがあり、自分に合った選択がしやすくなっています。これらの工夫は、誤注文の減少や満足度の向上にもつながっています。


店舗業務を効率化

モバイルオーダーは、飲食店側の業務にも大きな変化をもたらしています

注文が直接キッチンに届くため、スタッフは手書きでの注文受けや確認、レジでの会計処理といった手間から解放されます。その結果、調理や配膳、そしてお客様へのきめ細やかなサービスなど、本来の業務に集中できるようになり、店舗全体の業務効率が飛躍的に向上します。また、注文ミスも減るため、お客様とのトラブルも未然に防げます。

こうしたデジタル化は、人手不足に悩む飲食業界にとって、大きな助けとなっています。

さらに、モバイルオーダーシステムには、時間帯ごとの注文数や人気メニューなどのデータを自動で収集・分析してくれるものもあります。これらのデータは、食材の仕入れ量を調整し、食品ロス削減に貢献するだけでなく、顧客のニーズを正確に把握することで、売上向上や利益改善にも繋がります


混雑解消と時間短縮

ランチタイムや週末の混雑時に、レジ前に長い列ができる光景は誰しも一度は見たことがあるでしょう。モバイルオーダーはこのような混雑の緩和に効果的です。

ユーザーは事前にスマホで注文と決済を済ませるため、来店後すぐに商品を受け取ることが可能になります。このことは店内の「密」を避けられるだけでなく、店舗の回転率も上がり、より多くの利用者にサービスを提供できるようになります。
また、スタッフも注文処理に追われることが減り、接客や商品提供に余裕を持つことができるようになります。

こうしたスムーズな流れは、利用者だけでなく働く側にもメリットがあり、ストレス軽減や店舗全体の雰囲気改善にもつながっています。
お客様にとっては「時間の節約」、お店にとっては「効率の向上」。混雑を減らし、より快適な飲食体験をつくることこそが、モバイルオーダーのもうひとつの力です。


モバイルオーダーと食品ロス削減の関係性

黒板に白でON DEMANDの文字 Oは時計


食材管理の最適化

食品ロス削減の鍵を握るのは、やはり食材の管理です。モバイルオーダーは、この食材管理を劇的に改善する力を持っています

モバイルオーダーを導入することで、店舗は注文数や時間帯ごとの売れ行きをリアルタイムで把握できるようになり、「いつ」「何が」「どれくらい」必要になるかをより正確に予測できるようになります。これにより、過剰な仕込みや食材の無駄な発注を防ぐことが可能になります。

必要なものを必要なだけ仕入れることで、賞味期限切れによる廃棄を減らし、新鮮な食材をお客様に提供することが可能になります。食材の無駄が減ることは、お店のコスト削減にも繋がり、まさに一石二鳥の効果を生み出すのです。

また、こうした取り組みは、食材の鮮度管理にも好影響を与え、顧客にとっても「美味しさ」や「安心」につながります

売上管理のためだけでなく、持続可能な店舗運営のための重要な手段として、食材管理の効率化が求められています。

無駄をなくす仕組み

モバイルオーダーは、食品ロスだけでなく、飲食店運営におけるさまざまな無駄を減らす効果があります。

注文と決済を事前に済ませることで、店舗は必要な分だけを調理する「オンデマンド方式」が可能となるため、作り置きの必要性が減り、売れ残った料理の廃棄リスクを大幅に軽減できます。さらに、事前注文があれば必要な分だけ仕込めるため、調理の無駄やロスが最小限に抑えられます。

また、アプリを通じてアレルゲンや苦手食材などの情報を細かく伝えられることで、提供ミスや返品の防止にもつながります。

このように、モバイルオーダーは食品ロス削減だけでなく、お店全体の資源の無駄を解消し、食のサステナビリティ向上にも直結しています。


注文データの活用

モバイルオーダーを通じて蓄積される注文データは、食品ロス削減のための貴重な資源です
このデータを分析することで、お店はこれまで見えなかったお客様の嗜好や購買行動を深く理解できます。売れ筋商品や注文されやすい時間帯、季節ごとの需要などを分析することで、店舗は必要な食材の量を正確に見積もることができます。

また、どの時間帯にどのメニューが人気なのか、特定の日にはどんな商品がよく出るのかといった傾向が明確になることで、お店は需要予測の精度を高め、季節限定メニューや新商品の開発、プロモーション戦略に活かすことができます。

単なる利便性にとどまらず、データを「可視化」し、「改善」に活かすことで、飲食業界全体のロス削減につながる可能性が広がっています。注文データは、食の未来を変える力を秘めているのです。


消費者の意識と行動の変化

スマホを見る女性と黄色い☆5個


フードロスへの関心

近年、私たちが口にする食べ物がどれだけ無駄になっているか、その「フードロス」の問題に注目が集まっています。

スーパーで売れ残った食品、飲食店で食べ残された料理、家庭で捨てられる食材など、世界中で年間約13億トンもの食料が廃棄されていると言われています。この問題は、地球の限られた資源を無駄にするだけでなく、食料生産にかかるエネルギーや水の使用、さらには温室効果ガスの排出にもつながるため、環境問題としても非常に深刻です。

このような背景から、消費者の間でもフードロス削減への意識が急速に高まっており、モバイルオーダーは、まさにこの高まる関心に応えるツールとして期待されています。

例えば、「売れ残りが出ないように注文する」「注文前に原材料やアレルゲンを確認する」といった行動がアプリ上で自然とできるようになり、無理なくエコな選択ができる点が支持されています。さらに店側が「フードロス削減のため、余った食材を使った限定メニュー」などをモバイルオーダーで提供すれば、消費者は「貢献したい」という気持ちから積極的にそれを選ぶこともあるでしょう。

こうした消費者の意識の変化は、飲食業界の持続可能性にとっても心強い追い風となっています。


消費者の選択肢拡大

モバイルオーダーは、消費者の選択肢を広げる大きな役割も果たしています。

これまでは、お店で提供されているメニューの中から選ぶのが当たり前でしたが、モバイルオーダーを使えば、お店の営業時間外でもゆっくりとメニューを検討したり、混雑を避けて事前に注文を済ませておいたりすることができます。
例えば、アレルギーを持つ方や、特定の食材を避けている方が、事前にアプリで詳細なメニュー情報を確認できることで、お店に到着する前に安心して注文を確定できます。

また、アプリ上で「量を選べる」「具材を変更できる」などのカスタマイズ機能が増えており、自分にとって本当に必要な量だけを選ぶ人が増えています。自分に合った量や食材を選べることは、無駄を減らすと同時に「満足度が高まる」点でも好評です。

このような選択肢の広がりは、フードロスの抑制と日々の食の楽しみを両立させる鍵となっています。


アプリ導入と顧客満足

モバイルオーダーアプリの導入は、私たち消費者の飲食店利用体験をより快適なものにし、結果として顧客満足度の向上に繋がっています。行列に並ぶストレスからの解放はもちろんのこと、自分のペースでじっくりとメニューを選べる安心感、そして注文ミスが少ないことなどが、満足度を高める要因となっています。

モバイルオーダーを導入している店舗では、アプリ利用者のリピート率が非利用者に比べて高いと考えられています。
特に注目すべきは、モバイルオーダーを通じて「パーソナライズされた体験」が可能になる点です。過去の注文履歴に基づいたおすすめメニューの提案や、誕生日などの特別な日限定のクーポン配信など、お客様一人ひとりに合わせたサービスを提供することで、「自分だけのために」という特別感を演出できます。

こうした積み重ねが、お店とお客様の関係をより深く、より良いものに変えてゆき、利用者の持続可能な選択を自然に後押ししているのです。


SDGsと飲食業

ドライブスルーで商品を受け取っている


SDGsと飲食業の関係

SDGs(持続可能な開発目標)は、貧困や飢餓の解消、気候変動への対策など、世界が取り組むべき17の目標を掲げています
その中でも飲食業に深く関わるのが「12.つくる責任 つかう責任」です。これは、限りある資源を無駄にせず、持続可能な生産と消費のバランスを目指すものです。

日本では、毎年約472万トンもの食品ロスが発生しており、そのうち約60万トンが外食産業から出ていると報告されています(環境省 令和4年度データより)。このような現状を変えるためには、飲食業の現場で「過剰な仕入れや調理」「売れ残り」「誤注文」といった課題を見直すことが求められます。
つまり、飲食業はSDGsの目標達成において欠かせない役割を担っており、その取り組み方次第で社会全体の持続可能性にも大きな影響を与えるのです。


モバイルオーダーが果たす役割

モバイルオーダーは、飲食業界におけるSDGsの実現を後押しする実用的なツールとして注目されています。

事前に注文と決済を行うことで、店舗は必要な食材を過不足なく用意でき、食品ロスの削減に大きく貢献します。さらに、売れ筋や時間帯ごとの注文傾向などのデータを活用すれば、仕入れや生産計画の最適化が可能となり、廃棄の抑制にもつながります。

また、注文がアプリ上で完結することで、紙のメニューやレシート、注文伝票といった紙資源の使用も減少します。これにより、店舗全体の資源使用量や業務上の無駄を見直すきっかけともなり、結果として環境への負荷を軽減することにもつながります。

モバイルオーダーは、効率性と利便性を提供するだけでなく、持続可能な社会の構築に向けた飲食業界の変革を支える存在となっているのです。



モバイルオーダーは、私たちの日常に根ざしながら、未来に向けた大きな希望を運んでくれます。

スマホ一つで、より便利に、そして地球に優しくなれる。そんな新しい「食」の形が、今まさに広がりを見せています。
私たちの小さな行動が、お店を変え、社会を変え、持続可能な未来へと繋がっていく。

モバイルオーダーが示すのは、テクノロジーと私たちの選択が、より良い世界を創造できるという明るい可能性です。





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この記事を書いた人

中川

環境開発学を専攻し、大学時代に訪れた北欧でエコライフに目覚めました。帰国後、国内外のエコプロジェクトに参加し、サステナブルな食文化や食品ロス削減のヒントを発信しています♪

監修者

文 美月

株式会社ロスゼロ 代表取締役
大学卒業後、金融機関・結婚・出産を経て2001年起業。ヘアアクセサリーECで約450万点を販売したのち、リユースにも注力。途上国10か国への寄贈、職業支援を行う。「もったいないものを活かす」リユース経験を活かし、2018年ロスゼロを開始。趣味は運動と長風呂。