こだわって作った食品が、お客様に届くことなくロスになるのは胸が痛みますよね。
ロスゼロは今まで1,000社以上の食品メーカー様と実際にお話しをさせて頂いていますが、「最後までお客様に食べていただきたい」という想いは皆さん変わりません。
今回は食品の生産過程や供給チェーンの中での食品ロスの発生理由、また、その対策についても考えます。
- 【食品メーカー様向け】ロスゼロの食品買取
- ロスゼロは余剰食品・規格外品をお買取りしています。
ブランド棄損をしない販売方法を工夫し、商品を最後までお客様にお届けします。
食品が店頭に並ぶ前にロスになる理由は?
実際に食品メーカーではどうような食品が余剰になるのでしょうか?
食品業界ならではの商慣習や消費者へのイメージが大きく関係しています。
3分の1ルール(納品期限)内に納品ができなかった
「3分の1ルール」とは納品期限に関する食品業界ならではの商習慣です。
製造から賞味期限までの期間を3等分し、
・最初の3分の1の期間:メーカーさんから小売店舗へ卸す
・次の3分の1の期間:小売店が販売
・最後の3分の1の期間:消費者が食べる
としています。
賞味期限が6か月後であれば、残り4か月を切った商品は納品することが難しくなります。
例えば、ロスゼロで販売していた、こちらの「鯛めしの素」
- 【混ぜて炊くだけ】お出汁が自慢の鯛めしの素
- おうちで簡単に料亭の味。
鯛の旨味と香りを存分に味わえる炊き込みご飯の素です。
きのこや野菜を足して、アレンジするのも◎
2023年11月末が賞味期限の商品が、7月時点で余剰に。
まだまだ食べるのには十分に時間があるのにも関わらず、販路を失くします。
食品メーカーは納品先の小売店への受注分を確実に用意するため、あらかじめ多く商品数を見積もって製造します。もし受注分を用意できない、受注を断ることになった場合、販売機会を逃すだけではなく、納品先からの印象が悪くなり、今後の受注の減少が懸念されるためです。
ただ、この厳しい商習慣はより新鮮で安全なものを食べたいという消費者の期待の表れでもあるため、消費者の意識が変われば商習慣も見直されるかもしれません。
合わせて読みたい
- 食品ロス削減のカギ「3分の1ルール」とは? 生活に欠かせない流通のお話
- 食品の流通において、フードロス発生の大きなカギをにぎるのが「3分の1ルール」。日本の3分の1ルールは、国際的にみても期限が短いと言われています。
規格外商品
品質基準に満たさない規格外品
食品メーカーで発生する規格外商品には、焼きムラ・欠け・変色・切れ端などが挙げられます。安全上食べるには問題がないものでも、見た目や品質維持の都合上ロスになってしまいます。
しかし、メーカーにとって規格外品を選別することは、品質へのこだわりでもあり、ブランド力を維持するための重要な過程です。多少商品が欠けていても気にしないという方でも、他の人へのプレゼントとして商品を購入する場合、商品の見た目を気にされることも多いのではないでしょうか?
過去にロスゼロで販売した商品の例では、以下の商品が挙げられます。
- 国産もち米100%不揃いおかき
- ふんわりした食感が自慢の「浮きあられ」
どうしても夏場は生地のコントロールが難しく、うまく膨らまないものができてしまいます。
形は不揃いでも味は変わらない!ぜひ最後までお楽しみ下さい。
- こだわりの贅沢「カヌレ」【焼きムラ/規格外】
- 少しの焼きムラや割れで規格外となってしまったカヌレ。
中はモチ♪外はカリッ♪
規格外でもこだわりの味は変わりません◎
梱包上発生する切れ端部分
品質が基準を満たしていても、製品を一定のサイズや形に合わせるため、生産ラインの最終段階で余分な部分が切り落とされる場合があります。- カステラ切れ端セット
- 生産過程で切り落とされてしまう切れ端部分。
メーカーさんいわく、実は一番甘みが詰まった部分なのだとか?
イベント・シーズン商品
クリスマスやバレンタイン、お中元・お歳暮など、イベントに合わせて作られる商品はたくさんあります。
イベント前には需要が増えるものの、時期を過ぎると一気に需要は減り、通常では販売することが難しくなります。
(2月14日をピークに需要が約7分の1にまで落ち込む、チョコレートの需要。 参考:総務省統計局「チョコレートの季節」)
おいしい食べ物は、イベントの楽しい時間の演出には欠かせません。
近年では農林水産省が事業者や消費者へ向けて、クリスマスケーキや恵方巻の予約販売・購入を呼びかけており、イベント商品のロス削減を目指しています。
ロスゼロでも、「おそち」や「チョコロスを救おう!」などのイベントを通じて、集まった季節限定商品やイベント商品を消費者へロスになった理由とともお届けし、イベント終了と同時に価値を落とす、もったいない食品に疑問を投げかけ、食品ロス問題への啓発につなげています。
パッケージ・規格・価格の変更によるもの
意外に多いのが、パッケージ変更や生産停止による余剰食品。
近年では、材料費の高騰の影響で内容量を変更することになり、旧型の商品を一括で買い取ってほしいというご相談も受けています。
大企業となると、一度のパッケージ変更でも多くのロット分の食品が余剰になります。
例えばこちらの「マロニーちゃん」も
- 【1食100円】95kcal!カップ入りマロニーちゃん
- 社名表記変更のため、廃盤商品に。
お湯をかけるだけ!簡単ヘルシーで満足度◎
製造していた企業が別のグループ企業の傘下になったため、旧会社名で印字した商品を店頭に並べることができなくなり、余剰になってしまいました。
ロット(入り数)の端数
大企業の場合、毎日各商品が何万個と作られる中で、最後に段ボールに入れる36個に満たない端数がどうしても発生してしまいます。そうすると、流通中の破損リスクや在庫管理上の問題でお店に出せない商品となります。
次の日の生産分と合わせて納品しようとしても賞味期限が違うため、同じロット(段ボール)で納品することはできません。少しの端数でも、大企業となると100種類以上もある商品を毎日生産している訳ですし、常時的にロスが発生するのはもったいないですよね。
外装不良・印字ミス
印字の位置のズレ、成分表の間違い等によって余剰になるケースもあります。
2021年には、ある飲料メーカーのビールのスペルが誤って製造されており、多大な食品ロスが発生するのではないかと問題になりましたよね。正しく説明してお客様に理解していただいた上でご購入いただくには問題ないのですが、スーパーやコンビニでの販売はどうしても難しくなります。
例えばこちらの商品も、
- 【りんご】セミドライフルーツ
- 国光りんごを砂糖で煮てからセミドライに加工しました。
酸味の強い国光りんごは加工すると風味良く味が濃くなります◎
海外製品のため、外袋には賞味期限を記ししていますが、個包装は「加工日」の記載になっています。そのため、日本の消費者には賞味期限が切れているような印象となり、一般販売が難しくなりました。
ロスゼロでは、印字ミスの商品に関しては商品ページで丁寧にお伝えする。また、配送時には正しく印字された賞味期限や成分表を商品に張り付け・同梱してお届けしています。
ロスがもたらす企業の損失
余剰食品は、食品メーカーにとって直接的な損失の原因となります。具体的には、生産コスト、廃棄処分費などが挙げられます。
生産コスト
例えば、食品メーカーが1000万円のコストで生産した商品の全量が売れ残った場合、もちろんその食品を作った原材料のコストは回収することができません。
さらに、生産コストは材料原価のみならず、加工費や保管費用・人件費・配送費なども含まれます。
廃棄コスト
産業廃棄物にかかるコストは、処理方法や梱包状態、処理量などによって異なります。一般的には、焼却が最も高く、飼料化や肥料化が比較的安いとされています。また、梱包・包装された状態の食品廃棄物は、梱包・包装されていない状態よりも処理コストが高くなります。処理量が多いほど、処理単価が安くなる傾向もあります。
具体的な数字としては、公益社団法人 全国産業先物連合会の「食品廃棄物の処理料金に関する調査結果報告書」を参考にすると、平成28年度の処理方法別の処理単価の平均値は、焼却が300円/kg、飼料化が185円/kg、肥料化が100円/kgだったとされています。
もったいない
食品メーカーにとって、生産した商品が余剰となり廃棄されることは、経済的な損失を超えた大きな問題です。
食品メーカーは、消費者に喜んでもらうために、品質の高い商品を生産するために多大な努力とコストを投じています。原材料の選定から製造、包装、そして配送に至るまで、一つ一つの工程には職人の技術と情熱が込められています。そのため、これらの商品が売れ残り廃棄されるとき、それは単なる金銭的な損失ではなく、時間と労力、そして環境への配慮が無駄になります。
企業イメージの低下
近年では食品ロスの生産・加工・保管・流通段階におけるCO2の排出量も問題視されています。ロスの発生は廃棄処分においてCO2が排出が懸念される他、生産から流通までに所要したエネルギーも無駄にしていることになります。
特に大企業ではCSR活動の一環として、トレーサビリティを重視している企業も多くなっていますが、余剰品や規格外品をうまく活用できていないという事実は企業ブランドイメージの低下につながりかねません。
余剰在庫・規格外食品を有効活用する方法
食品買取事業者に販売する
ロスゼロのように、余剰品や規格外品の買取を行っている事業者に商品を売却することで、少しでも廃棄コストを売り上げに転換することができます。この方法は迅速かつ効率的で、消費者に確実に商品をお届けすることができるため、潜在顧客の開拓にもつながります。
しかし、ネット上での公開販売や、ある一定の場所で規格外品や余剰品を安売りしていることが拡散されると、定価で商品を購入している顧客には印象が悪く、ブランドロイヤリティの低下にもつながります。長期的に見ると、消費者の信頼を失う原因となり、販売低下につながる可能性があります。
そのため、食品買取事業者を選定する際には、商品の買取価格だけではなく、
- 商品はどのようにして最終消費者にお届けされるのか?(オンライン販売か、リアル店舗での販売、非公開販売なのか)
- ブランドイメージにふさわしいECサイトのデザイン、店舗の雰囲気なのか?
- 商品ページのキャッチコピーや文章は安売りしている印象にならないか?
など、慎重に食品買取事業者を選定する必要があります。
- 【食品メーカー様向け】ロスゼロの食品買取
- 日本初!食品ロス削減サブスク「ロスゼロ不定期便」や非公開販売など、ブランド棄損をしない販売方法を工夫し、商品を最後までお客様にお届けします。
子ども食堂・フードバンクに寄付する
子ども食堂やフードバンクへの寄付は、企業のCSR活動としての発信でよく見られます。しかし、売り上げにはならず、物流コストや寄付に伴う手間が増加する可能性があります。
また、現在の日本の制度化では、食品をフードバンクに提供する事業者には、食品の安全性を保証する責任があります。もし提供された食品により食中毒などの事故が起こった場合、事業者は損害賠償訴訟の対象となり、そのブランドイメージが大きく損なわれる可能性があります。
ただ、令和5年6月16日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023」によると、「食品の寄附やフードバンク団体の体制強化」の検討と記載があることから、食品関連事業者がフードバンクへ食品による事故が発生した際に、事業者の責任が免除される仕組みを導入することが期待されます。
合わせて読みたい
- 【2023年最新】「食品ロス削減推進法」が改変する?事業者のフードバンク提供に期待!
- 深刻化する食品ロス問題に対し、政府は「食品ロス削減推進法」などの関連法の改正の動きを見せています。
アップサイクルで新商品に作り変える
パッケージ化されていない状態の規格外品であれば、新しく別の商品に作り変えることも一つの手段として考えられます。例えば、ビスケットやクッキーの欠けや割れは、チョコクランチのようなお菓子の原材料に作り変えることも可能ですし、果物の端材や皮はお茶や入浴剤の原材料にすることができます。
アップサイクル商品開発は、潜在顧客の開拓やメディアで話題になるチャンスにもつながります。ロスゼロでも、オリジナルブランド「Re:You(りゆう)」でアップサイクル商品を開発していますが、販売当初より多くのテレビや雑誌で取り上げられています。
自社で商品開発のナレッジがある、また工場の設備がある場合は社内でプロジェクトを円滑に進められるかと思いますが、他の企業や団体とコラボレーションをして商品開発をすることで、各セクターの強みを発揮し、相乗効果が生まれます。
ロスゼロは、自治体や大企業・大学等との連携で商品開発経験があり、他セクターとの協業により互いの強みを活かしてソーシャルインパクトを最大化しています。
- 【食品メーカー様向け】ロスゼロとアップサイクル商品開発しませんか?
- アップサイクル商品コンテストにて受賞。百貨店の常設店舗での販売やふるさと納税返礼品実績も。
ロスゼロと一緒にストーリーのある商品開発をしませんか?
価格を抑えて自社販売する
余剰品や規格外品を割引価格で販売することで、新たな顧客層を開拓することが可能です。しかし、この方法は正規品の価値を損なうリスクがあり、長期的なブランドイメージに影響を与える可能性があります。
そのため、割引セールなどは在庫を少なめにして突発的なイベントのように開催させることで、消費者からの関心を集め、定期的にサイトや店舗に訪問してもらう施策にもつながります。
社内販売をする
社内での割引販売は、従業員の福利厚生として有効です。
この方法は、一般顧客への影響を最小限に抑えることができますが、販売範囲が限定されるため、大量の余剰品を処理するには不十分かもしれません。
ロスを減らすために
これから年末年始にかけて、食品業界では忙しい時期が始まります。
10月のハロウィンに始まり、クリスマス、年末年始、節分、バレンタイン、ホワイトデーなど、いろんな食べ物が思い浮かびますよね。食品メーカーさんは夏前から商品を企画し、準備・製造をされています。食品はいろいろな材料も必要になり、完成させるのにとても時間がかかるにもかかわらず、作ってしまうと次は賞味期限の管理も大変です。
できる限り、食品メーカーでロスがで発生しないように、消費者の私たちが協力できるのは、「早めに予約する」こと。今ではあらゆる食品が予約できるようになっています。みなさんも早めに準備を進めてみてください。
- 【食品メーカー様向け】ロスゼロの食品買取
- ロスゼロは余剰食品・規格外品をお買取りしています。
ブランド棄損をしない販売方法を工夫し、商品を最後までお客様にお届けします。