万博の楽しみ方として、会場や地域を巡りながら記念を集めるスタンプラリーは長年愛されてきました。2025年大阪・関西万博(以下、EXPO2025)でも、この伝統を受け継ぎつつ、最新技術を駆使した多様な形で展開されています。昔ながらの紙媒体、そして革新的なデジタル形式。それぞれの魅力と参加方法、最新情報をご紹介します。
EXPO2025を楽しむには
EXPO2025のスタンプラリーやデジタルスタンプラリーに参加するには、EXPO2025のチケットをあらかじめ購入する必要があります。
EXPO2025の入場チケットは電子チケットになっており、公式販売Webサイトからスマートフォンやパソコンで直接購入できます。
万博会場で体験!公式紙媒体スタンプラリー「おすぞ!万博!」
アナログならではの温かさと収集する楽しみを提供するのが、公式紙媒体スタンプラリー「おすぞ!万博!」です。万博の会期全体(2025年4月13日~10月13日)を通して実施されています。
概要と公式スタンプパスポート
参加推奨ツールとして、有料の「2025年日本国際博覧会(EXPO2025)公式スタンプパスポート」(1,100円・税込)が販売されています。携帯しやすいパスポートサイズ(縦125mm×横88mm)で、72ページにわたり多くのスタンプを収集できます。
パスポートは単なる台紙ではなく、会場の解説や地図、パビリオン写真なども掲載されており、万博ガイドとしても役立ちます。持ち運びに便利なネックストラップ付きクリアケース(1,210円・税込)も用意されています。スタンプ自体は会場内の各スポットに設置されています。
もちろん、自分の好きなノートなどへの押印もできるので、それぞれの収集方法で楽しむことが出来ます。
重ね押しスタンプが期間限定で登場
パスポートには特別な仕掛けも。「重ね押しスタンプ」は、指定された6ヶ所(コモンズA~D館、F館、国際機関館)で順番に押すと一枚の絵が完成します。また、会期早期(4月・5月)には期間限定の来場記念スタンプが登場。
ミャクミャクハウスとTEAM EXPOパビリオンに設置され、期間ごとに異なるデザイン(桜、たこ焼き、鯉のぼり、かぶと、紫陽花、ツバメなど)と色が楽しめます(4/13~4/30、5/1~5/16、5/17~5/31でデザインが変化)。
公式スタンプパスポートはどこで買える?
公式スタンプパスポートとネックストラップケースは、万博会場内オフィシャルストア、会場外の常設オフィシャルストア(あべのハルカス、大丸梅田など多数)、オフィシャルオンラインストアなどで購入できます。
公式ウェブサイト
紙媒体スタンプラリー「おすぞ!万博!」の詳細や最新情報は、以下の公式サイトをご確認ください。
公式アプリで楽しむデジタルスタンプラリー

スマートフォンを活用したデジタルスタンプラリーも、EXPO2025体験の重要な要素です。公式アプリを中心に複数の形式で提供されています。
EXPO 2025デジタルウォレットアプリ
この公式アプリでは、万博会場内のスタンプディスプレイにあるQRコードを読み取ることで、NFT(非代替性トークン)形式のデジタルスタンプ「ミャクーン!」を収集できます。バーチャル万博会場の訪問でも取得可能です。
収集やアプリ内活動を通じて「ミャクミャクリワードプログラム」の経験値を獲得し、特典に繋がる可能性があります。SBT(ソウルバウンドトークン)保有者向けのパビリオン特典もあります。
※バーチャル会場内のパビリオン・施設を訪問してNFTスタンプを収集できます!(施設内部へはらせん状ワープポイントにタッチしてください。)
EXPO2025パーソナルエージェントアプリ
もう一つの公式アプリ「EXPO 2025パーソナルエージェント」では、「EXPOクエスト」としてミッションクリア型のデジタルスタンプ収集が楽しめます。
※EXPO 2025パーソナルエージェント(EXPO 2025 の情報案内アプリ)
関西万博会場以外でも楽しめる、多彩なコラボスタンプラリー
EXPO2025の会期中、会場外を含むさまざまな場所でパートナー企業や自治体とのコラボレーションによるスタンプラリーも実施されています。
Pokémon GOスタンプラリー
世界的人気ゲーム「Pokémon GO」とのコラボ。EXPO2025の会場と、吹田市の万博記念公園内の2箇所で開催されています。ポケモンフォトスポットにあるポケストップをスピンしてデジタルスタンプを収集します。ゲーム内で報酬や特別なポケモンとの遭遇が期待できます(会期中実施)。
大阪メトロ「リアル桃太郎電鉄スタンプラリー」
大阪メトロが「桃太郎電鉄」とコラボ。Osaka Metro駅など20箇所を巡り、アプリ「e METRO」でスタンプ収集。特典抽選もあります(~2025年6月1日)。
スタンプラリーの期間中、2025年5月28日(水)~6月1日(日)には、EXPO2025 メッセ[WASSE]にて、内閣府地方創生推進室とKONAMIによる「地方創生SDGsフェス」も開催されます。
「桃太郎電鉄」の世界観で、全国39自治体の魅力や地方創生SDGsをゲーム感覚で楽しく学べるイベントです。
Study「大阪関西国際芸術祭 LINEスタンプラリー」
同時期開催の「Study:大阪関西国際芸術祭2025」ではLINEアプリを使用。芸術祭会場を巡りQRでスタンプ収集。特典抽選あり。
地域連携スタンプ等
公式紙スタンプラリーの一部は、関西パビリオン参加9府県のサテライト会場でも実施されています。また、これとは別に、各自治体等が独自の紙やデジタルのスタンプラリー・周遊企画を実施している可能性もあります。地域の観光情報サイトなどでご確認ください。
まちごと万博
まちごと万博は、大阪・関西万博をきっかけに各地域をもう一つの万博会場にするプロジェクトです。まちの活性化を目指し、イベントや活動を紹介しています。地域に価値を残す取り組みや、中之島リバーフェスタ、ライオンズ万博in千住、都島未来EXPOなどが紹介されています。
バーチャル(仮想)スタンプラリー
バーチャル未来の都市 NFT
このスタンプラリーは、万博内の「未来の都市」パビリオンで行われる物理的なイベント参加やパビリオン訪問と、仮想ウェブサイトへのアクセスを組み合わせることで、洗練されたオーディエンスエンゲージメント戦略を示しています。さまざまな接点を通じてNFTを提供することで、ユーザーの多様な関与レベルに対応し、参加機会を最大化しています。
物理的なイベント、会場内のパビリオン訪問、仮想ウェブサイトとのインタラクションという複数のタッチポイントでNFTを提供することで、「未来の都市」パビリオンの提供内容をより包括的に探索することを促しています。
このハイブリッドモデルは、物理的な来場とデジタルなエンゲージメントの両方を促進し、参加者にとってより豊かで相互接続された体験を生み出すことを目指していると考えられます。
バーチャル万博~空飛ぶ夢洲~」デジタルスタンプラリー
「バーチャル万博~空飛ぶ夢洲~」の中核となるバーチャルスタンプラリーは、デジタルスタンプ「ミャクーン!」の収集を中心とした体験です 。これは、仮想博覧会を探索することで得られるNFTであり、デジタルな冒険の証となります。
※公式「バーチャル万博~空飛ぶ夢洲~」デジタルスタンプラリー
万博と地域、そして未来へ:スタンプラリーがもたらす効果
これらの多様なスタンプラリー企画は、単に楽しむだけでなく、万博の成功と地域経済の活性化に大きく貢献する戦略的な役割を担っています。
周遊促進、混雑緩和、そしてインバウンド誘致
スタンプラリーは、万博会場内の効率的な周遊に加え、参加者を周辺地域へと自然に誘導する重要な役割を担います。これにより会場の混雑緩和に貢献し、関西全体の多様な魅力を分散して体験してもらう機会を提供します。
特にデジタルスタンプラリーで収集される行動データは、混雑状況の分析や効果的な誘導、さらにはインバウンド観光客の属性や興味関心に合わせた情報提供に活用され、より快適で満足度の高い体験創出に繋がります。
言語の壁を感じにくいシンプルさと、公式アプリの多言語対応は、海外からの観光客にとって大きな魅力です。パビリオンや周辺観光スポットを巡る仕組みは、観光客の滞在時間延長と消費額増加に貢献します。
地域経済の活性化と大きな経済効果
スタンプラリーに地域のお店や観光スポットを組み込むことは、万博の経済効果を広範囲に波及させる直接的な手段です。関係者によると、EXPO2025では約350万人のインバウンド観光客誘致を目指しており、多様なスタンプラリーは、この目標達成に大きく貢献すると期待されています。これにより、数千億円規模の経済波及効果の増加が見込まれており、万博全体の活性化に大きく貢献します。
誰もが楽しめる参加環境を目指して:課題と配慮
これらの体験をより多くの人に楽しんでもらうためには、いくつかの課題への対応と配慮が重要です。

情報格差と参加機会の平等
デジタルスタンプラリーはスマホ必須のため、情報格差による参加機会の不平等が懸念されます(高齢者、未所持者など)。
解決策として、イベント情報の多様な発信(チラシ、公共施設、地域メディア)、アプリ操作の簡素化とサポート(操作動画、会場スタッフ)、問い合わせ窓口設置などが重要ですし、関係者にはこれらの取り組みが望まれます。アナログスタンプラリーも引き続き重要な選択肢です。
セキュリティと技術的な懸念
個人情報を取り扱うデジタルではセキュリティ対策が不可欠です。
解決策は、個人情報・位置情報の暗号化、不正アクセス対策強化、明確なプライバシーポリシー開示です。また、会場での電池切れや通信障害も考慮し、解決策としてオフライン機能提供、モバイルバッテリー貸出、Wi-Fi環境整備なども検討され、適切な実施が求められます。
アナログでは台紙紛失や破損、設置場所・時間・特典期限の事前確認が重要です。アナログスタンプラリーは、再生紙や環境負荷の低いインク使用で環境負荷を低減し、地元連携で地域経済活性化にも貢献します。
展望と継続的な改善
関係者は、これらの企画を通じて、参加者の意見を参考に特典やルートを定期的に見直し、魅力的なイベント運営を目指します。成功には、魅力的な特典の提供や効果的なマーケティングが重要となります。
今後、AIやARを活用した高度なデジタル体験、メタバースでの展開も予想され、デジタルスタンプラリーはさらなる進化を遂げ、インバウンド誘致や経済効果創出に大きく貢献していくことでしょう。関係者各所が協力して、魅力的なスタンプラリーを企画・運営することが、万博の成功と地域の経済活性化に不可欠です。
これらの多様なスタンプラリーや収集企画は、万博会場のテーマ地区やパビリオン、そして周辺地域の隠れた魅力ある場所へと来場者を誘導し、滞在をより豊かに彩ります。ご自身のスタイルや興味に合わせて、紙でじっくり集める、アプリで手軽に楽しむ、特定のコラボ企画に参加するなど、さまざまな楽しみ方が可能です。
EXPO2025では、伝統から最新技術まで、様々なスタンプラリーやデジタル収集体験が用意されています。これらは単なる記録に留まらず、会場内外の発見や、地域との出会いを深める素晴らしいツールです。
ぜひ参加して、あなただけの特別な万博ストーリーを紡ぎ出してください。
各スタンプラリーや企画に関する最新・詳細情報は、必ず上記の各公式ウェブサイトでご確認ください。内容は変更される場合があります。
参考情報(2025年5月8日現在確認できた関連情報サイト)
※EXPO20252025公式サイト (公式アプリやイベント情報、地域連携に関する最新情報はこちらで確認できます)
※EXPO2025公式スタンプラリーウェブサイト (公式紙スタンプラリーの詳細)
※関西周遊NFTスタンプラリー」HP(関西2府5県の観光施設をめぐる)
※EXPO 2025デジタルウォレット 公式(公式アプリのダウンロードリンクも掲載)
※Pokémon GO公式サイト(Pokémon GOスタンプラリーの詳細)
※大阪メトロ公式サイト (リアル桃太郎電鉄スタンプラリーなど関連イベント情報)
※JR西日本公式サイト (NFT駅スタンプラリーなど関連イベント情報)
※Study:大阪関西国際芸術祭2025 公式サイト (芸術祭スタンプラリーの詳細)
※大阪観光局公式サイト(大阪府内の観光情報や、関連イベント情報が掲載される可能性があります)
※関西観光本部公式サイト (関西全体の観光情報や、各府県の周遊イベント情報が掲載される可能性があります)
※まちごと万博(大阪・関西万博をきっかけに各地域をもう一つの万博会場にするプロジェクト)
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